夕方になり空がだんだんと色づいてきた頃に、多くの人が手すりから外を見だした。手にはビニール袋を下げていて、それを河に投げ込んでいる。 何だ? と思いよく見てみると、何艘ものカヌーこちらに向かってくる。その多くは子供なのだけど時々女性も混ざっていて、投げ込まれたビニール袋を集めていく。うっすらと中身が透けているのでよく見てみると、中にはサンダルやお菓子・タッパー容器等、いろいろなものが入っている。
どうやら自分ではもう使わなくなった物をインディオ達に譲っている様で、街に住んでいる人にしてみれば不要になったものでも、ジャングルに住んでいる人達にとっては貴重なものであろうし、必要とする人がいるのならば、その人達に使ってもらうのがよいと考えているのだろう。ビニールを投げている人達も、おごった様に投げ捨てているのではないし、それを受け取っているインディオの人達も、哀れみを誘う顔などしてはいない。きっともう随分前から繰り返されてきた事なのだろう。
僕も何かないかと考えを巡らせたけど、必要なものしか持っていない。自分にとって必要なものをあげてしまったらなんだか違うよな。
一艘しか写っていませんが、たくさんのカヌーが船客からの贈り物を譲り受けます。写真場ぼやけていますが、客船の速度はけっこう速い。
エンジン付きのカヌーも食べ物を売りに何度も来ます。スイカがたくさんありましたが、全部売れちゃいました。手前が僕がのっている宿泊船で、なんとこのカヌーは横づけしてロープで縛っただけで引っ張られてます!
どうですかこの景色 生でみると凄いですよ!
かなり暗くなってきてもエンジン付きカヌーが来たので、おやつ代わりに茹でえびを買いました。周りの人にも分けに行ったのですが、なぜかあまり食べたがらない・・・。写真を撮り忘れたのですが、真ん中写真の赤っぽいのが同じ様なもので、買った時には汚いビニール袋に入っていました。
お腹に危ないかとも思ったのですが、塩味が効いていて美味しかったので全部食べちゃいました。
それと・・・ 先程までと違い若い女の子も数名エンジン船に乗ってきていて、こちらの船へと乗り込んできます。見た目はアジア系なエギゾチックな顔立ちで美人ですよ~
インディオの女の子は船に居続けていたので声を掛けている人も多い(エロ的な意味と思われ)のですが、いやらし~い手つきでお尻を撫でて「何すんのよ!!」とされている中年男性が多数いました。が、相手が若いとけっこうそのまま触らせていたのが面白かったな(笑)
※文章で書くと売春が行われているのかの様に受け取れますが、えびしか買ってないんで実際のところはどーだかわかりません。
やっぱり寒くて目覚めたのだけど、今日は特に変な夢を見た。
強い風の吹くとても寒い丘に何人もの人がいて、その中に僕も混ざっていた。今夜はここで野営するのだけど防寒対策に支給されたのがハンカチ一枚なのだ。隊長とおぼしき人が 「それを工夫して暖をとってくれ」 と言われ、考え抜いた僕は小さく丸まって手足を重ね、その上にハンカチをかぶせるのだ。でも風が強くてハンカチが飛ばされてしまい、追いかけては捕まえを永遠と繰り返すのだ。そんな夢を見ていたので目覚めこそ悪かったのだけど、何故かスッキリとしている。今日はそうやって一日がはじまった。
トイレに行くとチョイチョイと肩をつつかれた。 「何?」 と振り向くと中年の男性が「ここは女性用だよ」 と指さす。みると確かに女性用マークで、今まで全く気が付かなかった。日本とは違い男女共通で赤いマークなので、間違えないようにと最初に確認していたのだけど、とくに決まっているふうではなかったので気にしてなかったのだ。事実シャワーもトイレも順番を待っていた時に出てきたのは男性だったのだ。どちらにしろ注意されたのだから気をつけねば。
12時頃にハンモックの上でウトウトしていたら、縄売りのおじさんに 「ご飯は?」 と聞かれたので、時計を指さして 「もうすぐ行くよ」 と答えたたのだけど、「今日はお金かからないから、なくなるまえにはやく行っておいで」 と教えてくれた。(今日で目的地に着くと聞いていたのだけど、最初にそう聞いた時は違う場所だったので話半分でいた。)
食堂に行ってみるといつもよりも人の流れが早く次から次へとどんどん集まってくる。順番がきて中に入ると教えてくれた通り今日は無料で、いつもよりもサッパリした味付けの、例えるならおかゆ風のソパだった。これは食べやすくっていいな~ 量は少なめだけど日本人が食べるなら今日のが一番おいしいかも。
これで船でのご飯も最後かー としみじみしてしまった。コックさん。今までおいしいご飯ありがと~
次の街に着いたらどーするべかな~なんてハンモックに揺られながらの夢見心地。が、何故か具合が悪くなってくる。一瞬昨日のえびにあたったかとも思ったけど、お腹は下っていない。でもなんとなくめまいもする。ん~~~~食中毒の初期症状にめまいがあるけど、それとはちょっと感じが違うみたい。
①ぐうたらしてたからエコノミー症候群になった
②ただの貧血的なめまい
③ここにきてのまさかの船酔い
とりあえず思い当たるのはこの三つなんだけど、どれもありそうななさそうな。寒いのにしっかりした防寒してなかったらかカゼか?とも思う。そういえばなんとなく熱っぽい・・・・ とにかく何だかしらないけど体調が悪い。
そうこうしている内に、もうすぐ目的地に着くらしいので、ひとまずハンモックをしまったのだけど、なかなかに着かない。3:00PMに着くと言ってたのだけどもう5:00PMまわってるよー
外を見ようとしたその時にぶっ倒れてしまった。体感的には数秒間は体が動かなかったけど、意識はちゃんとあり徐々に体も反応してきた。はなれたところで家族といたお父さんがすぐに飛んできて 「大丈夫か!?」 って声をかけてくれた。「今すぐ船医を呼んでくるからそのままっ そのままっ」とゼスチャーで伝えてくれる。周りの人も 大丈夫か? と声をかけてくる。船の中の細かい作業をしてたおばちゃんが近くに来て、続いて船医さんが来る。めまいは治まってきたので「大丈夫です」 と言うと、「本当に平気なのか?」と船医さんが不信そうに顔を覗き込んで聞いてくる。もう平気だよアピールで「オブリガード!」と笑顔を見せた。
しばらくその場でお尻をついてクッタリしていたら回復してきた。たくさんの人が声をかけてくれて、その顔を見ると心配してくれているのがよく分かる。もう大丈夫と思えるくらいになったのでお礼を言って周る。
不思議な事なんだけど、今までも何度かあった事なんだけど、こういう時は自然と手を合わせて頭を下げてしまう。
船が港に着き皆とお別れをした。何を言ってるのかなんて言葉は分からないけど、お互いの旅の安全を祈っているのが分かる。
ありがとう!皆のおかげで楽しい毎日でした!!
あと少しだけ船旅の世界をご案内
外から来た人には面白みもなく、住んでいる人には当たり前の光景。
そう、この世界が日常の人達がいるんです。羨ましいですか?ごめんですか?
よく見ると水平線に見えるところもジャングルです。
こんな景色が永遠と続くので、自分の中の世界観がマヒしてしまいます。
暗くなってきて現れる人の作り出した光を見ると、日本での日常ではありえない世界に思いを馳せてしまう。
こんな空間にいると感覚が開いてきて、闇に潜む何かを感じます。
それはたぶん自分の心の中。最も近く最も遠いところ。
機会があったら是非どうぞ。その時はお一人でいらっしゃることをおすすめします。。。