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愛の人 愛の街

言葉が喋れなくても意思の疎通ができるのは、相手が優しさでカバーしてくれているからだと知りました。日本にいた時の思い上がりが恥ずかしいです。
ブラジル入りしてすぐに、こんなメールを友人に送りました。

この日も朝からこんなことがありました。
朝食をとっていると宿のスタッフが数人集まってきて、食べ終わる頃になると話しかけてきました。
ほとんど喋れない僕には、ほんのささいな会話なんだけど、仲間が集まって話しをしている中に僕を混ぜてくれるんです。
自分が日本にいた時に見知らぬ人にこうしてきたか?
いつも損得のために動いていたんじゃないか?
自分だけじゃなく、まわりも良くしようと努力したのか?
本当にそんな事を考えてしまって、嬉しいやら情けないやらで感情があふれてくるんです。

その後もチェックアウトしにいくと、ビーサンの兄ちゃんが一冊の本を僕に見せてくれました。
それは先日話していたパンタナールが出ている本で 1ページづつ説明しながら話してくれる。
果物の写真を見てはこれはウマイと。
河を見てはここは美しいと。
魚を見てはこいつは凄いと。
出発までの時間をそう過ごさせてくれるんです。
子供の頃に家族と過ごしていた時間・・・・ちょっと違うかな。なんと言うか、心地よく優しい時間が流れるのです。

信じられますか?でも本当の出来事なんですよ。

船旅が始まる前に、もう少しこの街を紹介します。

木の下にちょこちょことパラソルが立ってるでしょ?そこが船のチケットを買った場所。宿もここで教わりました。
ここらにはこういった小さな露天がいくつもあって どんどん声をかけられるのですぐ分かります。
でっかいポスターに船の写真がたくさん貼ってあり この船はスピードが速いとか 飯がいいとか 色々と売り文句があり面白いです。

街

大雑把に言うと上の写真の向かい正面側
海の家の集合体的なお店があり 昼になると大混雑
ここいら一帯にはお土産を売る小さなお店もあるので 場所的に考えると国内外を問わず旅行者が沢山います。
そう考えると現地語を喋れない人もけっこういるハズなので びびらなくても平気! と、自分に言い聞かせる(笑

店

ガイドブックにも出ているマナウスの市場を斜めから写したもの
僕的には騒然とした感じが好き。

マナウスの市場

市場の魚エリア
お寿司屋さんのカウンターを巨大にした感じで そこにずら~っと魚が並んでいて ここはその一角。清潔感を伝えたいので アップ写真をUPします。一応言っておきますが、駄洒落じゃないよ!
魚(さかな)=Peixe(ペッシ)と発音します。そのまま日本語でSakanaと言ってしまうと、(アナタは)悪い人 みたいになってしまうので言っちゃダメ!!

マナウス市場の魚エリア

百聞は一見にしかずっていうけど、写真では伝わらないことが沢山あります。
自分にとって大切なものはまさにそれで、なんとか伝えたくてブログを始めました。良い・悪い問わず、少しでも感じてくれたら幸いです。


マナウスからベレンへの船旅。

今日からいよいよベレンに向けての船旅がはじまる。
聞いていた集合場所に行きチケットを渡して船に乗り込むのだけど、船着場はここから少し離れているところらしく徒歩での移動だ。そして桟橋まで行きそこから小さなボートにで目的の大型船に乗り込んだ。荷物運びの人が付いてくれるんだけどこの2つは有料で、なんでこんなところで料金がかかるんだ?とも思うんだけど、胸に船関係者のマークをつけてるからそんなもんなのかな・・?
さっそくハンモックを好きなところにぶら下げる。少しして出航したのだけど、まだあまり人は乗っておらず、ちょっとして桟橋に停まった。そこにはいっぱいの人がいて、なるほどさっきのは先に乗っていい場所が取れるサービスだったみたい。あっという間に船内は人で一杯になった。

船内ハンモック

ここまできて何だけど実は船が苦手。酔い難そうな一番後ろに陣取ったのだけど、あまり人気がないようで埋まるのはだいぶ後になってからだった。
三時間経っても出航せず、ハンモックの上でぼ~っとしているのだけど、思ったほどウキウキもドキドキもしてこない。家族連れやグループが多く、一人の人は案外と少なく、なんとなく孤独を感じてしまう。船内に軽食売りが来たので、てもちぶたさも手伝って、パンとオレンジを買った。

港

夕方六時位に出航した。辺りは少しづつ暗くなり、程よい風が心地よい。少しして気が付いたのだけど、この場所はエンジン音がうるさいってことだ。それにガイドブック等に出ているような、隣の人がうるさいと大変ってのはちょっと違っていて、基本周り全部がうるさい。でもそれが騒音のように嫌なものでもない。

隣に居合わせた三人の親子連れは気さくな人で、僕が夕食をとっていないことに気が付き、自分達の食べているものを 一緒にどうだ? って誘ってくれた。
笑顔の絶えない茶目っ気のあるお父さんはいつも子供と一緒にいて、愛情が何かを言葉ではなく行動で示している姿を見ていると、こっちまで幸せな気持ちになってしまう。

お腹がすいてきたので船内の小さな食堂に入ると、入り口に笑顔の女性がいて、SopaとPeixeどっちっがいい?と聞いてきたので、お金を払いまだ食べたことのないSopaを注文した。
発音からしてSopa=ソパだったので、もしかして麺類なのかと思ったらまさにそうで、うどんの短くしたようなもので、それが油の少ないポトフに入ったものだ。味はさっぱりとしていて野菜が多く、牛の骨付き肉の煮込んだのが入っていておいしい。途中旅行者とおぼしき白人が話しかけてきて、食堂も空いてきたので受付の女性も混ざって話をしていた。

しばらくして自分の階に戻り、手すりにもたれて景色を見ていると、外は真っ暗で所々に光が見える以外は何も見えない。水面と水平線と空の区別が付かない程の暗さの中にある光は、はじめ岸の明かりだと思って見ていたのだけど、一向に距離が縮まらず、それが別の船の光だと分かった。
まるでイカ漁船の様に明るい船なので幾つかの船が重なった時は、一瞬小さな港町のような錯覚に陥ってしまう。船首に視線をおいて少しづつ上に向けていくと星が見えた。そういえばこの旅で初めて夜空を見たな。。。
だんだんと暗闇に目が慣れてくると、船が出す明かりが強烈なので空は真っ暗ではないのだけど、天井は日本よりも低く感じ明るい星が多い。いつもと違う星空を見て、ここは南半球なのだと思い出した。
初めて体験する事、一人の時間を意識するようになってくると、自分が旅人なのだと強く感じる。

隣の親子のお母さんがオレンジを食べようとしてナイフを探しいているのだけど、見つからないようなので貸してあげると、まるでジャガイモを剥くようにしているので、おしりに十字の切込みを入れてむいてみせた。こちらではこうやったやり方あまりしないようで、“おおっ”っとしている。すると今度は俺がやってみる!と、お父さんが笑いながら同じ様にやっている。そして半分をぼくにくれてみんなで食べた。

寂しそうな顔をしていたからだろうか?隣の親子連れは僕を気遣かってくれるのだ。
ありがとう おかげで寂しさがどっかに消えちゃいました。


夜のアマゾン河

昨晩寝るときにかなり寒くなっていたので、長ズボンと薄手のダウンジャケットを着ていたのだけど、吹きっ晒しなのでかなり寒い。いわゆる“アマゾン河の船旅”をしているのだけど、夜になると想像以上で、特に船の場合は湿気のある風が体温を奪うのだ。
それでも日が昇ってくるとぽかぽかと暖かくなってくるので、短パン・T-シャツになり景色を眺めていた。

朝食をとりに食堂にいったのだけど、行列ができていたので一度ハンモックに戻った。
適度な風と心地よい揺れで、あっという間に寝てしまい、次に起きたのは昼の11時を回ってからだった。
今まで一度も朝食を欠かしていなかったので空腹がキツく、すぐに昼食をとろうと食堂に駆け上って行くと、朝よりもさらに混んでいる。
順番が来て中に入りお金を払うと、今日はビュッフェスタイルなので10レアルと値段が高い。大きな皿に米やパスタをのせ、カレーのルーの様なものをかけ、煮込まれた肉の塊をごろごろとのせて、仕上げに大量のサラダを盛り付ける。これまではかなり小食だったので、この一食で一日に食べていた分以上の量だ。
カレーのルーに似たものは豆を煮込んだもので、どことなく納豆のような風味だ。
煮込み肉は見た目韓国料理のカムジャタンに似ている。日本ではあまり馴染みのない香辛料を使っているようで、ちょっと例えにくい味だがウマイ。
使っているハンモックが小さめだからなのか、起きた時に首周りが凝っていて頭が痛くなってしまうだ。これさえなければ言うことなしなので残念だ。

夕方になり空が少しづつ暗くなってくると、普段薄暗い船内の方が明るくなってくる。そうするとゾロゾロと人が動き出して活気が出てくる。それは夏の夜祭のようだ。
所々に雲の塊があり、周りでカミナリが光っている。どんなに晴れた空でも時々こういったものがあって、暗くなった夜空に一層映える。
中でカミナリが光ると丸いシルエットで雲がうっすらと浮かび上がり、それはまるで巨大な繭の中で遊ぶ龍の様で美しい。
夕方よりもちょっと暗い、空が闇に包まれるまでの幻想的な世界。

景色を楽しんだ後に夕食をとり、それからしばらくすると対岸に明かりが見えてきた。船はだんだんと近づき、その中へ入って行った。
そこは小さな港で船着場にはたくさんの人影があり、何か持っていたり小さなリヤカーを引いている人。老若男女様々な人々がいて、立ち寄る船に食べ物を売りに来ているようだ。
その人達はけっして船に乗り込みはせず、船首と桟橋のわずかなすき間から中を覗き込み、声を張り上げて自分をアピールする。精一杯手を伸ばしている少年からドーナツを、子供連れで来ていた父子から細長く切ってカリカリに揚げた塩味のバナナ買い、隣の親子と一緒に食べた。

夜のアマゾン河

昨日にもまして夜空は暗くなっていき、それにともなって星も強く輝いている。まるで大地の延長のようにある空は、天井が低く丸みをおびていて、僕の上に覆いかぶさるような錯覚にとらわれる。

きっと今日も寒くなるだろうと、準備をしてハンモックにくるまろうとした時、すごい数の甲虫が体中にぶつかってきた。船が岸のすぐそばを通っているので、光に誘われた昆虫がどんどんと飛び込んでくるのだ。
あっという間にそこら一体は虫だらけになり、これはたまらんと頭上の照明に服を被せて、少しでも自分の場所を暗くする。
そんなことをしている間に船は沖合いに進んで行き、いつの間にか眠ってしまった。

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