ブラジル編 ALLブラジル編 ALL

ヘタレ

夕方になったので外にくし焼きを食べに行った。屋台ごとにけっこう味が違ってあきない。
いつもと反対方向に歩いて行くと屋台があったのだけどスルーしてもう少し先まで行ってみた。
しばらく行くと見慣れた道にでた。あ~なるほど、こうなってたか~と思い、その先はもう何度も通った事があったので、先程の屋台に戻った。
小振りなパクー・アッパッパー?等(平べったい魚と淡水ニシン。共に美味しいらしい)を焼いていて、タッパーにはまぜご飯的なものも入ってる。ちょっと食欲が落ちてきているので、食べきれるか自身がない。しかしこの屋台はレパートリーが多いようで、牛くし焼き・でっかい焼き鳥・焼き魚・ご飯・ドリンク・いつもの無料ファリーニャと色々ある。
こういったくし焼きを売ってる屋台は、日本で言うところの焼き鳥屋台にちかいものだと思っていたのだけど、どうやらここで食事を済ませている人もいるみたいだ。これは新たな発見があるゾと、美味しそうに焼けているパクーを見ていた。今日は食欲が落ちすぎているので、いつものようにくし焼きとファリーニャだけにして、明日やってたらまたこよう!
この屋台の目の前に例のサイバーカフェがあるので中の様子がすこしだけ伺える。日本のネットカフェとは見た目がかなり違っていて、入り口の斜め横に立ってトビラに書いてある文字を読んでみると、メールやらネットやらゲームができるよって書いてある。そういや回線が遅いと聞いた事があったので、オンラインゲームやお宝的なものはどうしてるんだろう?と興味が出てきた。
よし入ろう!と思った時に丁度人が出てきて、なんと言うか、一瞬あれ?っと錯覚を起したような、一目で分かる風貌をしていたのだ。それで思わずガン見してしまって、入るタイミングをいっしてしまった・・・。世界共通なのか・・・・ と、妙に納得してしまった。
なんだか中途半端な感じだけど宿に戻ってしまった。さきほど買っていたトマトがあったので食べたのだけど、かわが厚くて酸味と甘みが少なく、もしかしたら調理用なのかな?あんまりおいしくない。でも久しぶりの生野菜はうれしい。

1つだけ悩んでいることがある。僕がこの旅をするキッカケとなった人がもうすぐ入国するのだ。「むこうで会ったら一緒に釣しましょう。」と、誘って頂いたのだが、僕はまだで何もできていないのだ。
この冒険の目的のひとつは釣なのだけど、本当の目的はそれではないのだ。だから魚が釣れなくてもかまわないと思っていたし、そうそううまくいくものでもないと思っていた。
しかし実際にブラジルまできて、自分なりに動いていると魚を釣りたいって思いがどんどん強くなってくるのだ。そうなると一番確実に釣る為には、一緒に釣に行くことだ。そもそも合流できるかも分からないのだけど、こんな風に思っている時点で、もう自分の中で答えが出ているのだ。
「初志貫徹」って言葉は、そんなの時と場合によりけりだろ?って普段は思っているのだけど、今回ばかりはそう思えないのだ。
僕がこの旅をする為に、色々な人にお世話になった。自分自身もトラブルが続いて、それでも諦めなかった。それをフォローする為に、さらに多くの人が力を貸してくれた。そして今も多くを犠牲にしてココにいる。
エラそうな事を言ってきたはいいけど一人では何も出来ず、今度はこの冒険にでるキッカケとなった人に逃げようとしているのだ。
ブラジル入りしてまだ5日しかたっていないが、この短い時間の中で自分の弱さをイヤというほど感じて、それをたてにして周りの人の優しさに甘えているのがわかるのだ。自分がこんなにも弱虫だと知ってしまい、あまりにも情けない。


古い建物と今

昨日買ったビーサンをどうしようかと思い、ホテルの人にあげる事にした。
会話帳で単語を調べて、一応分かるようにしたつもりで、『私はサイズの違うサンダルを買ってしまったので使いませんか?』って感じにしたんだけど、我ながらかなりテキトーだ。
一応通じなかった時のことも考えて、あげるって単語を入れたので、よろこんで貰ってくれた。自分が使えない以上は捨てるよりも誰かに使ってもらった方が絶対にいいもんね。

そのまま散歩に出たら、今日は沢山のお店が開いていたので、市場の方にも行ってみた。この周辺は数店舗回れば、かなりの数のルアーが置いてあり、今日はこれまでで見つからなかったものも買えた。
釣りをする友人へのお土産は、やはりルアーが一番なので、それなりの数になるのだけど、お金は自腹になるのでけっこうキツイ。でも自分も使ってみたいし欲しいものだから、それを思えば買っていってあげたい。ブラジリアン・ルアーは日本ではまず手に入れる事ができないし、外見はさえないけど、日本にはないタイプも存在するしね。

他の人が使っていないルアーを使いたいし、それで入れ食いになる想像したり、改造とかもしてみたい。
いい年をしたオッサンが、こうやって動かそうとか、アレやったすごいんじゃないかとか、歩きながら想像してニヤついてるのだから、変なヤツに写るのか、普段なら結構声を掛けられるのだけども、自分の世界に浸っているので周りの声が聞こえなかった。
とりあえず買ったものを置きにホテルに戻り、パッキングしてみると、だんだん馴れてきたので、あっさりと入れられた。

僕の一日は、朝起きたら宿で朝食をとってから外に出る。しばらくして一回ホテルに戻って、部屋で休んでからまた外に出るの繰り返し。日差しになれることに重点を置いているので、とにかく歩き回る。その時に、けっこう買い食いするので、あっという間に一日の予算になってしまいます。それでもルアーは買うんだから、バカだけど釣り人としては正常なのかな?
仮眠していると電話が鳴った。今日はチェックアウトの日なので、たぶんそのことかなと思い出てみると、やっぱりそうで、これまででここが一番安かったので、移動の日までの後二日延長した。

宿付近をちょとだけご紹介
こういったヨーロピアンな古い建物が所々残っていて、風化していく姿が寂しくもあり、怖くもあり、きれいでもあります。

建物

後から知ったのですが、ブラジルでは新しいものがよいとされる傾向があるそうで、歴史のある古い建物をどんどん壊しているそうです。近年になってそういった歴史ある建物を残そうとする動きが強くなってきているらしいですが難しいようで、古い教会を壊して新しくコンクリートで作り直されてたりします。
この建物はそんな中で残されているものの一つだと思いますが、現状では復元されておらず、ほとんど外壁しか残されていません。でもちゃんと残されているのです。

ここからはあくまで個人的意見ですが、古いのがエライとか新しいのがエライではなく、そこで暮らしをしている人達にとって、良い方向であるべきだと思います。
何かを壊してしまっても、それが大切だったと気が付くこともできるし、逆に残していても、ここまで執着しなくてもよかったかな?と気が付くことができるし、結局は何があるかではなく、何を感じるかなのではないかなと。


ごちゃごちゃしたこと。

延泊の話をしている時に、宿のオーナーと思しき人がやってきて釣の話が始まった。なんでもガイドの資格を持ってるらしい。今の時期はどの辺りがオススメ!と、ブラジル全土の出ている大きな地図で教えてくれたのだけど、その人がどこの水系が好きかによってって言うことが違う。
釣りのライセンスがどこで売っているのか教えてもらうと、近くのサイバーカフェで売ってるらしい。
お礼を言って昨日のサイバーカフェに行ってみると、昨日と比べて混んでいて、受け付けで話すまで30~40分ほどかかった。
ライセンスが欲しいと言うと、それはこっちだな~ と外に案内してくれる。
このカフェの兄ちゃんは、かっこよくてちょい悪風なんだけど、外に出るとガラっと変わって、ポケットから日本のアニメが沢山出ている小冊を出し、ジョアポンアニメ~ カカロット~ ルフィー と言い出した。その顔はさっきまでのクールな面立ちとは別人で、一目で分かるほどのオタク顔だった。なぜそう思ったかと言えば、僕自身がオタクだからかな。
コワモテの兄ちゃんが目の前で フニャ っと変わる様は、まるで変身してるようで同一人物とは思えない。もう完全に別人になるのだ。
せっかく?なので、エヴァンゲリオンの魂のルフランを歌ってあげると、ますます喜んで顔がとろけてゆく。彼が意識して職場と外で違うのかは分からないけど、ん、うまく言えないけど、恥ずかしいから隠しているのか、それとも、好きなことに夢中になるから力が抜けちゃうのか、、、 ああうまく文章にできないから、この話題ヤメ。

ライセンスを売ってるところに着き、彼は何か言いながら握手してきた。きっと根はいいヤツんだなって思いながら、オブリガートって言いながら強く握り返した。
案内してくれたそこは、入り口にピラルクーのポスターが貼ってある。中に入ってライセンス売って下さいって言うと、別の人を呼んできて、その人に英語で話しかけられた。
釣りはどの期間でやるの?どの辺りがいい?って、聞いてくるんだけど、なんかおかしいぞ?
値段を聞くと、かなりの高額を言ってくるんだけど、コレってツアーじゃないか?
ガイドを雇いたいわけでも、ツアーに参加したいんでもなくて、ライセンスだけ欲しいんです。って言うんだけど、ごり押ししてくる。
この人が話せるのはポルトガル語と英語で、日本語は通じないんだけど、独り言のようにこれは高いな~ 買えないな~って言うと、こういう言葉は通じるようで、残念そうな顔をしていた。結局ライセンスは買えなかったんだけど、まあ先も長いししょうがないかな。

この後道に迷ってしまい、お腹が空いてきたのでご飯を食べようと安い食堂に入ろうとしたんだけど、店内で食事中の、沈んだ(いわゆる外篭り)風の白人男性が、ものすごい形相で睨んできていて、入らなかった。怖いっていうよりはダルい感じかな。意味もなく(相手にとっちゃあるんだろうけどね)敵意を丸出しにしてる人って大体どこでもいるけど、なんなんだろうな~ もうちょっとしたら揚げバナナが売ってたので、ひとまずそれで我慢してホテルに戻ろ~

上へ移動