ショッピングモールからホテルに戻り、昼食を食べに外に出た。しかしココは今朝までいたトコと比べるとホント何もない。ホテルの前の道をとりあえず真っ直ぐ歩いてみる。5分歩いて来た道を戻り、また違う方向に歩いて行く。こうすることで迷子になりにくく地形を頭の中に入れやすくする。あまり広く探り過ぎないのがコツだ。
そうしている内にスーパーマーケットがあったので入ってみた。ショッピングモールと違ってスーパーは生活感があり物価が分かりやすく、そして場所によって品揃えが違うので面白い。
中を見て回り水とフルーツジュースを買った。昨日食べたくし焼きが無性に食べたくなってきた。お腹が空いていたときに食べたせいもあるだろうけどホントおいしかったのだ。夕方になったら近所を歩いて探してみよう。
ホテルに戻り買ってきたルアーのいくつかの針を交換して、タックルボックス(道具入れ)にしまう。残りはビニールに詰めてリュックにしまうが・・・入れる場所がない。ほんのルアー数個分のスペースがないのだ。何度も悪戦苦闘してやっとのことでしまうことができた。たかがルアー数個分のスペースだけど、こちらに来る時にすでにリュックはパンパンに詰めてあるので大変なのだ。
そしてブラジル国内においてのルアーはすこぶる高級品で、例えばこの1つで、エアコン、トイレ、温水シャワー付で、しっかりした朝食までついてる清潔なホテルに個室で一泊できる。
上は日本でも有名なビック・スイッシャーで約20cm 下はたぶんあんまり知られてないやつ。
夕方になって食事をしに外に出た。ホテルのすぐ横に屋台が出ていてすごく混んでいる。でも目的のくし焼きがないので少し歩いてみる。2.3分した所であった! くし焼き屋さんだ!!
昨日の屋台のものよりもスリムな感じなので2本頼んだ。たぶん1本2レアル位だと思い値段を聞かずに10レアル渡した。「他に何かいるかい?」って感じで聞いてきたけど「ノン」と答えた。お釣りは6レアル。やっぱり1本2レアルで、どうやら大体の相場みたい。
昨日と比べるとさっぱりとしているけどおいしい。ジューシーさを出す為か所々に小さな脂身が刺さっている。やはりマンジョーカと言うか、マンジョーカで作ったファリーニャっていう粉状になったパスタの最小みたいなものが置いてあってそれももらう。
基本的にこの“くし焼き”を一本でも食べれば、ファリーニャはいくらでも食べられて、ポリタンクやペットボトルのよく冷えた水(たぶん水道水)も飲んでいい。
肉を頬張り途中でファリーニャを頬張る。口の中で肉汁を吸ってファリーニャがちょっと柔らかくなってウマイ。一日の一食はこれでいい感じだ。
栄養のバランスを考えてフルーツジュースを飲んでいるけど、明らかに野菜不足を感じるから、先程行ったスーパーにもう一度行ってみる。いろいろと見てキウイを買った。皮をむかずに食べると繊維が多くて体に良いらしい。
会計を済ませて出ようと思ったら店内に家電店らしきものがある。案外釣り具や面白いものもあるかもしれないので一応入ってみた。くるっと一周したけど見た目の通りの電気屋さんで別段何も無かった。店員さんが「何かお探しですか?」と来たので、「釣り具ある?」と聞いてみると。返事はやっぱり無いだった。
客観的にはそんなところにはねーだろ?と思えるが、なにしろセントロでは何かのリモコンと女性下着と海賊版のCDやらDVDが所狭しと並んでいる出店の中でバリカンとカバンに挟まれて釣り具が申し訳程度にあり、先程行ったショッピングモールでも、寝具コナーにルアーが売っていたりで、どこになにがあるのかイマイチわからない状況なのだ。
スーパーから出ると辺りは薄暗くなっていた。この辺りは夜に近づく程に雰囲気が良くなってくるみたい。でも今日は体調がイマイチなので早いうちからグッタリしよう。ホテルに戻りキウイを食べてゴロゴロして、一日が終わった。
かなり早く目覚めた。ちょっと早いけど食堂が開く頃なので朝ご飯を食べに行った。食堂ではすでに何人かが食事をしていてその中に昨日日本語で対応してくれた方がいた。日本語で 「おはようございます!」 と言うと、「こちらでご一緒にいかがですか?」と 声をかけてくださったのでそちらに座らせてもらった。
「昨日のお店はどうでしたか?」と話しかけられ「すごくよかったです!」と答えた。
釣りの話をしてくれて、その中で自分は以前イラパラ(川の名前)に一度来ている事を伝えた。そして今回はなるべく釣り宿を使わないで試してみたいと話した。水位や雨季の関係を教えてくれて、今の時期ならばどの当たりが良いか、ルアーはどのようなものが良いなどと教えてくれた。
例えば日本であれば一年を通して同じ場所に通う事もできるし、大前提としてそこに魚がいるのだ。しかしここではチョット違うていて、例えると満開の桜を見るために桜前線を追って行くような感じになる。
お花見(釣り)をするにはツマミだ酒だ(道具)という前に、桜が咲いている場所(魚がいる場所)まで行かなければならない。そして咲いている場所(魚がいる場所)を予想しても、そこまで行く手段(交通機関)がわらない・もしくはないのだ。移動距離は地図上では数センチでも、実際には数百キロにおよぶ。でもそれでも近いほうなのだ。話を聞いて改めて知る難しさ。ああこれが釣りなんだと思った。そしてなんとしても魚を釣りたい・・・・・ いや違うな、なんか燃えてきた。
こちらのホテルは1泊の予定だったのでひとまずセントロまで戻ることにした。
タクシー移動なんだけど明らかなボッタクリ。最初に地図と住所を教えているのに途中で止まって僕に聞きなおす。ぐる~と回って来て同じ場所に戻って無線で仲間に聞きなおす。またぐる~と回って来て同じ場所に戻って止まっている同業者に聞く。またまたぐる~と回って来て同じ場所に戻って地図と住所を教えろと聞きなおしてくとされたい放題。こーゆー人は哀れだ。こんな事で小銭をちょろまかしても得はしないのにね。これで一億円ちょろまかせても不幸になるだけだって、なんで分からないかな・・・・。オレがだまって小銭をめぐんでるのは、儲けたつもりで不幸を集め回ってるキミに同情してるからだよ。
次に泊まるホテルに着いたものの、思っていたより高いのでそこはやめた。
先程聞いた話によると、今の時期の釣りはこの街周辺よりも違うところが良いらしい。特に今回の目的の魚は今からならまだ狙えるみたいなので急遽大移動することにした。この移動は船を使うことになるので、船着場まで荷物を持ったまま歩いて行く。昼間は日差しが強く頭がすぐに ぼ~ っとしてくる程だ。
船着場からちょっと離れたところに海水浴場で見かけるようなパラソルを広げている人達がいて、近寄ってみると乗合船の写真がポスターのように何枚も下がっていて一目でチケットの販売員だと分かった。
その前を歩いているとどんどんと声をかけられるので、感じのよさそうな人に話しかけてみた。まあいろいろなやりとりがあって、高いのか安いのかわからないけど30分以上話込んでチケットを購入できた。もちろん日本語は通じないのでポルオガル語でのやりとりになる。
特に曜日や時間・値段を聞く時には自然と英語が出るのだけど、だからと言って相手から英語でペラペラ話されると何を言ってるのかわからなくなるので結構ハズカシイ。こういうのは会話の練習になるので、どんどん現地の言葉で話したほうがよかったりする。
残念ながら今すぐ船には乗れないとのことで、次の便で移動することにした。料金を払っ曜日と時間を最後にしっかりと確認してチケットを貰う。もしこれでマチガイがあったら自分が悪い。見極める時間は十分にあったのだから自分的にそう思う。日本にいるのなら話は別だが、全く知らない人を相手にしているのだからお互いトリッキーなことはあってもいいと思う。
移動する日まではこの街で過ごさなければならないので、安いホテルはないかと教えてもらった。歩けそうな距離だったので、またそこからテクテク歩くのだけどものすごく暑い。この暑さはかなりのモノで、ホントはこんな時こそタクシーかな?とも思うんだけど、いかんせん予算がツライのでとにかく歩く。いつも水を持ち歩いているのだけど途中でなくなり、さすがにマズいので道端のスタンドでガラナジュースを飲んだ。水分もそうなんだけどこの暑さはスタミナも消耗する。炭酸の甘いジュースが無性に飲みたくなるのだ。
よく冷えたガラナジュースを立ち飲みしていると、イズに座っているそう若くない女性二人がしきりに何か言ってくるんだけど、頭が ぼ~ っとしていてそっちに意識がいかない。リュックを指差すので、「そこはせまい道なので他の人のジャマになるのでリュックを下ろしなさい~」って言ってるように思えたので下ろした。でもまだ何か言っている。何だろ?って思うけど何か分からない。その二人がさらにこちらにきてリュックを指差ので見てみると、なんとチャックが全開になってる!!あせって中を見たけど何がなくなってるものがあるかわからない。幸いなのはいつ閉め忘れたのか自分で覚えていることだ。お礼を言って今度はしっかりとチャックを閉めた。
ほんの10分もないくらいの休憩だったけどかなり体がラクになった。ここに寄らなかったらリュックは開いたままだっただろうし、もしかしたら暑さでダウンしたかかもしれない。いいタイミングで休めて良かった。
炎天下の中ひたすら歩くので、意識がもうろうとしてくる。素直にタクシーに乗るべきだったかもしれないけど、いい経験にもなった。
教えてもらったホテルを目指して歩くのだけれど、いっこうに見つからないので、しかたなく道行く人にたずねてみると、なんと途中で道を間違えて反対方向にきている! 回れ右して、しばら~~~く歩き、やっとのことでホテルに着いた。
受付は元気な兄ちゃんで、値切ると少し安くしてくれたのでこれまでで一番安い。
荷物を持って歩いていたので、体温が上がり過ぎてる。冷たいシャワーを浴び、しばらくベットで休憩することにした。
エアコンの付いた部屋で一休みしたので、だいぶ体調が回復してきた、よし、さっそく散策に行こう!
ホテルからちょっと行くと倉庫が続いて、もう少し行くと市場が出てきた。ここは日本で例えるなら築地みたいなところなのかな?
この辺りは釣り具や漁具を扱っているお店が多くて、特にブラジルで有名なKV社のものが軒下に並んでいる。ただ閉まっている店も多いので明日また来てみよう~
大通りに出たときにまだ昼間なのにくし焼きを見つけた。のぞいて見るとサラミも付いてる!これはもう買うしかない!!お金を払うと、さっそく肉をほうばりながらマンジョーカをほうばる。この歯応えのハーモニーがたまらなくおいしい。これをお昼にしようと思い、エネルギー元の炭水化物を探しながらまだまだ歩いて行く。
しばらく行くと目の前で絞っているオレンジジュースがあったのでそれも飲んでみる。
絞った果汁は氷の入った下のタンクに貯まる仕組みになっていて強烈に冷たい!!
飲む時は写真右端の使い捨てのコップに入れてくれる。海外での生水や氷はキケン!ってよくあるから、そーゆーつもりで「氷は入れないで~」って言うんだけど、そもそもタンクの中に氷が入ってるから意味がない(笑 本気で危なそうなら避けるべきだけど、そればっかりだとつまらなくなっちゃう。
口の中がさっぱりすると、今度は甘い物が食べたくなってくるもので、すぐそばで売ってた揚げバナナに飛びつく。そのまま食べると風味が強くて、バナナ好きにはたまらない味に。「コイツをかけるともっとウマイゾ!」と、紙パックを差し出されたのでちょっとだけもらう。チョコと書いてあるけど味はコンデンスミルクみたいだ。揚げてフニャフニャして風味の強くなったバナナにコンデンスミルク!!これはもう自分的にはチョコバナナを超えた美味しさだ。日本で食べたらどーか知らんが、この熱いブラアジルでは間違いなくコッチがウマイ。なにしろ風土に合った味なのだ。
ブラジルに来てから毎日たくさん歩いているので、靴ずれができて痛くなってきた。
自分はクロックスのオフロードしか持ってきてないのだけど、こちらの人がビーチサンダルを履いているのがとっても気持ちよさそうなので、靴屋さんと言うか、サンダルが大量に置いてあるお店に入ってみた。クッションの良い、触り心地も良いものを見つけたので買っちゃった。
さっそく履いて歩いてみるとすごくいい感じだ。が、もうちょっとすると足がさらに痛くなってくる。「なんでだ?」と思い周りの人と自分を比べてみると、買ったやつはサイズが大き過ぎるよ!!よくみるとコッチの人は、かかとが落ちるか落ちないか位のギリギリで皆履いてたのだ!!だからあんなにキレイに歩けてたのネ!
かかとをずるずる引きずるようなイメージで選んでしまったので、すたすたと歩くのには全くむいていない
結局またすぐに元々履いてたものに戻した。
結構高い買い物だったのだが、昨日買ったルアー1つとほぼ同じ値段なのだから、ルアー恐るべし。好きな事だと冷静な判断を失いやすいから気を付けなければ。
さっき食べたコンデンスバナナの甘い香りが口に残っていたので、さっぱりしたものが欲しくなってきた。
ちょうど目の前を学校給食の容器みたいな物を2つ乗せた屋台が通りかかったので、「アサイーある?」と聞いてみたら 「バナナとミルクのジュースしかないんだ」と、中身を見せてくれる。「そっか じゃいいや、ありがと~」と言うと、向こうが親指を立てて「チャオ」って言った。
この親指を立てる行為に親愛のようなものを感じる。友人とバイバイするときに“またね!”って言いながら手をふるような・・・・。そんな気持ちになる。そして多くの人がこうやって接してくれる事がほんとうに嬉しい。
僕がアマゾンに憧れた時には、ジャングルと魚がいた。でも今はなんだか人のいる街がどんどん好きになってきた。