毎日歩き回って靴づれ作って変な歩き方したり、慣れないハンモックだったり、昨日のビーサンだったりと原因はいくつもあるのだけど、腰が痛くなってしまった。痛みの種類は、最初は浅くて広いものだったのだけど、今は深くて重い痛みだ。あちこち歩いてばかりだったので疲労がたまったのもあるみたいだ。冷却シップと痛み止めでだいぶ楽になってきたけど、この先も長い旅を考えて何日か休もうと思う。それに今日はブラジルの祭日だか何だかで外が閑散としていて休むには丁度いい。食べ物は昨日買っておいた果物とクッキーがあるから平気かな。それにしても受付のお姉さん感じいいな~
昼近くになって外に出た。すると宿のそばにある薬局は開いていた(ここは日本のパパスみたいでいろいろ置いてあって便利)。そこを正面に見ながら左に曲がって真っ直ぐいくと公園があり、たくさんの屋台が出ていた。祭日?なので何かしらのイベントがあるみたいだ。
ココナッツジュースが安かったので買って飲んでいると、白人女性が飲み終わったココナッツを、何かいいながら露店のおじさんに渡している。見ているとナタでカンカンして中身を取り出しやすくしている。そういや船で隣のお父さんも同じような事をしていて分けてもらったことがあったけど、程よい甘さに脂肪質と繊維質のミックスされた歯応えでおいしかったので、今度やってもらお~。買ったところで割ってくれるのか、これはいい事を知った。
ちなみにこのココナッツなんだけど、日本でもヤシの実ジュースとかって名前で売っているでかいあれと同じ様な物だ。
のまま公園をぬけるとすぐのところにスーパーがあるのだけど、祭日?なのにやってた。
水とクッキーとサラミとカップラーメンを買いすぐに宿に戻ると、公園内でくし焼きを見つけたので一本買った。マナウスのものよりも小さめだけど、一本1レアル。味はイマイチだった。そのほかにもいろいろな屋台があるので見て周った。
時々いるのだけど真っ白のカットソーorT-シャツを下着を着けないでいる女性がいるのだけど、まるっきり丸見えなのだ。恥ずかしいとか見えちゃう~~とかって感じないのかな?
こちらの人は褐色の肌の人が多く日本人とは全く違っていて、先日サンタレン(船旅の時の中継港)で日本人女性を見かけた時も“ぱ”と見て、「あ、やわ肌だ。」と思ったほどだ。その時あまりにも態度に出ていただろうし、人肌も恋しくって、本人を前にして「やわ肌いいな~」とか言っちゃったくらいだ。普段は特に気が付かないのだけど、日本人女性の白くて見るからに柔らかい肌はとても綺麗で魅力的だ。こちらの女性はインテリ風な人だと一目見るとドキリとしてしまう。全身から溢れるフェロモンを理性と露出の少ない服で覆い隠した姿には、何と言うかフェチ的なものさえ感じる。個人的にはメガネだとなお良し。まあつまりどっちもいいんです。
ホテルに戻りキッチンでカップラーメンを作ろうとすると、白人ぽいおじさんがいて、「コレ使いなさい、コレはこうやって・・・」と教えてくれた。この日の僕は日本人ぽくない服装をしていたので、「china?」と聞かれたので、「japaneseだよ」って答えた。
お湯を注ぎフタをして、その間に昨日買っておいたさくらんぼモドキを食べようと冷蔵庫を空けたるともうなくなっていた。名前も書いておかなかったし、よくある事なのでまーしゃあない。にしても、あのすっぱいのをあんなにたくさんどうやって食べたのだろう?
麺は硬めが好きなので3分待たずにフタをあけて食べると、む・・これは・・・マズイ。まるでバターポテトがカップメンになったような味だ。
時々海外でも見かけるニッシンのカップヌードルは、例えば同じしょうゆ味でも日本で食べているものと比べるとはるかに味が劣る。もし同じしょうゆ味を食べてる国の人が、それぞれの国で売られているものを交換して食べたらどう感じるのだろうか?と思ってしまう。
自分としてはもちろん日本のものが一番おいしいのだけど、やっぱり他の国の人もそう思うのかな?それとも、なんで日本向けのはこんなにウマイんだ!! ムムム これは国際問題ですぞ!? とかなったりしないのだろうか。そう考えるとそういった企画とかをTVとかでやって欲しいと思う。誰かやってくれませんか?
サラミで口直ししてベットでくったりしようかな。思ったより調子が回復してるし、今試したら靴下とクロックスの組み合わせで履けば靴づれは大丈夫みたいだ。
調子を崩して一瞬弱気にもなったけど、やれる事を一つづつやってみよう。この旅の最大の目的は、より多くの失敗をすることなのだ。その為に今やるべき事は体調を整えることだ。
この日の朝メールが届いていた。弱音を吐いた僕に対する返事のメールだ。返事を書いてぐったりしていたらオナラがしたくなったので ぷぅ と出すと、一緒にウンコも出た。え~~!?と思うが、食中毒って感じはしない。とりあえずシャワーを浴びてパンツも洗う。体調が良くない、今度はノドが痛くなってきた。
ブラジルの人は日系でもそうでなくても皆親切でありがたいのだけど、先の汎アマゾニア日伯協会で頂いた、「楽しいのはいいけど、人に迷惑をかけないように。」という言葉が心に残っていた。
僕は人に迷惑をかけるのは当たり前だと思っている。そんなのは日常生活でも当たり前にある事だし、普通に許しあっている。しかし今の自分がトラブルを起こすのはある意味必然であり、準備・計画をしっかりできていなかったのだから、これで人にかける迷惑はダメな迷惑だ。
自問自答しながらゆっくり考えようと、前回は入れなかったエミリオ・ゴエルジ博物館に行った。ジャングルを模写したそこは偽物だがキレイだ。フラフラしながら考えをまとめようとするけどまとまらない。朝食もとっていなかったので、お腹も空いてきたのですぐに出てしまい、せっかくなので近くにある博多というお店に日本食を食べに行った。
お腹をこわしているので生ものは避け、焼き魚定職を注文した。しばらくして運ばれてきたそれはとても豪勢で民宿の夜ご飯のようだ。
お味噌汁を一口飲んで “あ” っと思った。昔近所の酒屋さんで売っていた味噌に味が似ている。よくよく見てみれば他の国で食べてきた日本食と全くの別物なのだ。例えばスシやラーメン、こういった定食を頼むと、それは見事な和食が出てくる。日本にいるそのままと言っていい程のものが出されるお店さえある。しかしそこにあるものは、日本の外食を再現しているものなのだ。それと比べるとこの和食はそうではない。味噌にしてもきっと移住して来た先人達が、何もない中から工夫して作り出したものなのだろうし、小鉢に盛られた酢の物なんかも、どう再現するかって工夫されているのが分かる。キンピラゴボウなんてゴマがふってあって厚揚げまで入っている。
ご馳走とは買ってきた物ではなくて、取ってきたり自分で作ったものなのだ。飽食の中の日本食ではなく、旅立った人達が、故郷の味を思い浮かべて作ったものなのだ。
今はどうなっているか知らないのだけど、食べていてそういった気持ちが伝わってくるのだ。そして自分の中で悩んでいた事が吹っ切れた。そうだ日本に行こう。
「日本に行こう。」そう思うと心が軽くなってきた。でも体調は正反対で、激しく頭痛がするしノドも痛い。やっぱカゼなのかな?と思いおでこに手をあてると冷たい。それにいつもならドバドバ出る汗がベトベトジットリと出る。ん・・・これはおかしい。気が付けばもう5時間もたっているし、とにかく一回宿に戻らねば。
どんどん体が冷えてくる感じがする 「なんとか体温上げないと。」 そう思いエロ本を買おうと思った。ある意味これは万能薬。体力は使うが体温は上がる。そう思いあちらこちらにあるキヨスクの様な売店に入るのだけど、挑発的で豊満なボディーのお姉さんが表紙の本しかない。普段なら おお~~~! となるのだが、熱が出ると舌が不味くなるみたいな感じでなんとも思わない。むしろ 「日本人のはないのか日本人のは~~!」と心の中で叫ぶ。いくらなんでも売店の人に 「日本人女性のヌード雑誌ありますか?」 とは聞けない。つか、さっきまで結構まじめに悩んでいたのに何してんだ?とか思う。
ふっと我に返ると頭痛が少し治まっていた。しかしやわ肌のエロ本は見つからず、何も買わないで帰ることにした。でも近所の売店も気になったので一応覗いたけどやっぱりなかった。残念。
宿に戻り一休みしてから体と服を洗いに行った。この国では日本の様なお風呂はなくて、大体シャワーしかない。温水シャワーも宿によってはあるけど、日本人的には温水ではない。暖かい日に蛇口をひねると最初に出てくるぬるま湯みたいなものだ。体調の良くない今は暑いお風呂がなつかしい。ちなみにココの宿は水しかでない。
洗濯と水シャワーを済ませて部屋に戻ろうとした時に 「セッキー」 と女性に声を掛けられた。この名前で僕を呼ぶ人は日本でも少なく、一瞬あれ?っと思いながら振り向くと、なんのことはない受付のお姉さんで、僕の好みではないほうの人だ。充分かわいいのだけど、お気に入りのめがねちゃんと、裸眼のこの人では、圧倒的にめがねが上だ。 「部屋をクリーニングしたいんだけど」 と言われたのだけどめんどくさかったので、 「あ~いいです ノン」 と答える。「じゃあタオルとシーツは?」 と聞かれたので、それは換えてもらう。ここは安いけど案外行き届いてるな。
さっぱりして横になるけどお腹が痛くなり、トイレに行くと下痢をしている。頭痛・ノドの痛み・下痢、この三つを考えればカゼかもしれない。そういやクシャミが時々でているな。持ってきた薬が効かないのか、それとももう少し時間がかかるのか、考えていたらまたお腹が痛くなりトイレに駆け込んだ。もう完全に水みたいになってて、頭痛もぶり返してきてる。ジットリ汗がでるけど、おでこをさわると冷たい。まずいどんどん体調が崩れていく。